トヨタ AW10 エンジンかからない!MSDカスタム車両、点火トラブル修理!

AW10コイル交換

暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしですか?こんにちは、テクニカルステージです!

さて、そんな暑い日に今年の寒かった(3月ごろ)時期のお仕事ご紹介しますよ(笑)

旧車のオーナーさんにとって、エンジンの始動性不良は悩みの種で、特に寒くなると余計にかかりが悪くなる…なんてお悩み、よく耳にします。

今回は、元々始動不良で悩んでいたトヨタ AW10(MR2) の、ちょっと珍しい点火トラブルの修理事例をご紹介させていただきます!車両はこちら。

当初はタペットカバーパッキンの交換でご依頼をいただいており、パッキンからのオイル滲みは確認できていましたので、通常の整備として作業を進める予定でした。

閉店前にお預かりしたので、完全にエンジンが冷えた次の日、いざ整備を開始しようとしたらなんとエンジンが全くかからないじゃないですか(^_^;)

「え、なんで!?」

整備工場で預かった車が、まさかの始動不能、これは一大事です。

始動不良の件は聞いており、テクステでお預かりした際はそれなりのクランキングで始動していたので、ここまで悪い症状はお預かりした際には始めてです。

すぐに原因究明に取り掛かります。

初歩的なところから順番にチェックしていくと、スパークプラグから火花が飛んでいないことが判明。

つまり、エンジンが点火していない状態です。

点火しないとなると、原因はイグニッションコイルやスパークプラグ、デスビ(ディストリビューター)、あたりが濃厚です。

このAW10は点火系が社外品のMSD製CDIでカスタムされているので、カスタムされている部分も点検します。

信号を確認しているとCDIに点火信号が来ていません。

CDIは強力な火花を飛ばせるため、チューニング車両にはよく使われるパーツですが、各ショップさんの思想もあり、様々なカスタムした取り付け方をされています。

当車両も、純正のAW10デスビは加工済みで、内部の純正ピックアップコイルは撤去されており、代わりに加工されたAE86用のものと思われるピックアップコイルが取り付けられていました。

詳しく調べてみると、どうやらこのAE86用ピックアップコイルの出力が弱く、クランキングの低回転でうまく点火信号が出ていなかったことが判明。

寒くなって症状が悪化していたのも、抵抗値等の変化が影響していたと考えられます。

試しにデスビのトリガー歯にギリギリ近づけてそこそこの回転で回すと点火信号を拾いますが、その寸法では高回転時に接触するかもしれません。

原因が特定できれば、あとは修理です。

今回は、点火系がMSDでカスタムされていることに合わせ、MSD製の強化ピックアップコイルを取り付けることにしました。

もちろん、純正品への戻しなども検討しましたが、せっかくMSDで強化されている点火系ですから、その性能を最大限に活かしつつ、信頼性を向上させるにはこれがベストでしょう。

この強化ピックアップコイルは、純正よりも安定した信号を出力できるため、今後の点火トラブルのリスクも減らせます。

AW10コイル交換

早速、デスビを分解し、劣化したAE86用ピックアップコイルを取り外します。

AW10コイル交換 AW10コイル交換

新しいMSD製強化ピックアップコイルを慎重に組み付けていきます

汎用品ですので寸法測りながらステーや本体の加工を行い、トリガーホイールとの隙間寸法も重要です。

遠すぎれば高回転で失火しますし、近づきすぎれば接触してブローします。

配線も綺麗に処理し、デスビを元通りに組み付けたら、車両に取り付けです。

AW10コイル交換

すべての組み付けが完了したら、いよいよエンジン始動です。キーを回すと…

ブルン!と一発でエンジンがかかりましたがだいぶ回転数が低く、点火時期見るとかなり遅れています。

同じ位置に取り付けたつもりですが、コンマ数ミリ違うだけで大きく点火時期変わりますね。

点火時期調整すると今までよりも力強くアイドリングし、吹け上がりもかなりスムーズになっています。

同時に新品プラグに交換し、本来のパッキン交換を行います(笑)。

次の日、完全な冷間時でもセルをキュルっと少しだけ回しただけでも気持ちよく始動するようになりました♪

これで、冬場の冷間時でも、一発でエンジンがかかるようになるでしょう。

お客様も、「工場でかからなくなるとは思わなかったけど、原因が分かってよかったです!始動時の悩みも解決しました。」と喜んでいただけました。テクステもホッと一安心です(笑)。ご依頼ありがとうございました!

今回のAW10は当初の依頼とは異なるトラブルでしたが、原因を突き止め、最適な修理方法で解決することができました。

旧車やカスタム車両はノーマル車にはない魅力がある反面、思わぬトラブルや部品の流用加工による複雑な原因が潜んでいることがあります。

ぶっちゃけテクステでも手こずることはよくありますが(^_^;)、旧車の不調や、カスタム車両のトラブルでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください!お客様の大切な愛車を、これからもサポートいたします。

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