「スズキのマー坊とでも呼んでくれ」と聞いて「おっ!懐かしい」と思ったあなた!そこそこの年齢ですね♪こんにちはテクニカルステージです。

今回はなんと登録が昭和の車スズキ マイティボーイの車検修理のご依頼です。車両はこちら!

マイティボーイ車検

2代目セルボをベースにぶった切ってピックアップトラック化!ナウなヤングにバカウケだぜ!と…大好きですこういう発想(笑)当時の金額で45万円と低価格ながらセルボやアルトのほうが良く売れる状況であまり人気がなかったようですが、30年以上経過した今は独特のスタイリングから根強い人気で、きれいな車両は新車に近い価格で取り合いになるほどだそう。鈴菌恐るべし…

同年代のセルボやアルトのパーツが流用できることが多くカスタムも楽しめる車両ですが、やはり生産中止の部品も多数あり、維持にも頭を悩ます車齢になってきています。

しかしお客様は手放す気はまったくなく、多少の金額がかかっても長く付き合いたいとのことでテクニカルステージではこの心意気を全力で応援したいと思います。

マイティボーイ車検

特に今年の冬に入ってからは始動性の悪さが気になるようでココらへんを重点的に点検していきます。確かに引き取りに行ったときはなかなか始動せず、オートチョークが効いてないようでした。今までずっと点検整備をご依頼頂いているので大体の状態は把握しているのですが、キャブ車は季節に左右されるので大変ですね(^_^;)

まずはいつものように洗浄から始めます。

マイティボーイ車検 マイティボーイ車検

エンジンルーム、下廻りと洗浄。

実はこの時に異常を一つ見逃しております…説明は後述

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水切り後リフトにアゲアゲ~。サイズが小さいのでリフトがギリギリです。カプチーノとマー坊はほんとにギリでなんとか乗るレベルなんです。

とりあえずキャブの状態でも…とクリーナーを見て異常に気づきます。あれ?ネジが一箇所止まってないよね?

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赤丸部分にネジが一箇所締まっててクリーナーボックス共締めのはずなんだけど…(エンジンルーム洗浄時の画像でもネジがないのが分かります。)

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なっなんじゃこりゃ~( ゚д゚)!
※画像は再現です。初回発見時は本当にびっくりしてすぐに撤去しております(笑)

本来ならこう↓

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なっていないと行けない共締めのステーがこんな感じで↓

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折れとるがな…良かったエンジン内に吸い込まなくて…

状況からの予想ですが長年の金属疲労でステーが破損、その後クリーナーボックスが固定できていないので振動しステーのネジが緩み脱落、キャブの吸入口に折れたステーが引っかかる。と思われます。

小さいネジ等はボックス外側だったのが幸いしエンジン内に異物を吸い込まないで済んだようです。あ~びっくりした。

さて、どうしたもんかと考えます…キャブなんかとうの昔に生産中止ですし、ソレックスやウェーバーにするほどの予算はないし(というかすでにソレックスやウェーバーもなかなか手に入りません)、ヤフオク探しても中古キャブなんか出てこないし( ´Д`)=3

お客様との相談の結果、破損した場所は固定しか関係ないところですので新規にステーを作成しクリーナーボックスの固定を行うこととしました。

本当はキャブもそろそろオーバーホールや交換を行いたいのですが、部品が無いので下手に分解すると使用できなくなってしまう可能性があるところが悩ましいです。とりあえず気長にオーバーホールのベースに使える中古キャブレターを探しているところです。

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キャブ内部にゴミが落ちないようにマスキングを行い、破損部を軽く削ります。平らになるまで削り込もうかと考えましたが、特に邪魔になるわけでもないので表面のザラザラした部分のみでやめておきます。

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エンジンマウントステーに新規でクリーナーボックスの固定ステーを取り付けしました。これでしっかりと固定できました。次は寒冷時の始動性の悪さの修理です。まあ予想はついていますので怪しいところを確認します。

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キャブの運転席側赤丸部分にダイヤフラムが使用されています。この場所はエンジンの負圧を利用しキャブ内のバタフライを開きオートチョークを作動させるのですが…

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はい…ボロボロですね(^_^;)

これでエンジンの負圧が維持できなくなり、エンジンのかかりがすごく悪いというわけです。

実は今回の症状は二度目で最初の時は原因究明に苦労しました。またこの部品はもう生産中止でありません。なので前回も修理をしたため今回も修理することにします。

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まずはパッキン外周部と芯のみに分解します。パッキンは完全に硬化していますが今回はキャブ内の完全に密封しないといけない場所ではないのでそのまま使用します。

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ガソリンを使用する近くですのでガソリンに強いニトリル手袋で成形していきます。この時になるべく厚い手袋を使用しましょう。

ほとんど薄手しか売ってないですけどね(´・ω・`)

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大まかなサイズでOKです。

キャブ内部で使用する場合はきっちりとサイズを合わせ接着剤で固定しますが、今回は負圧さえ維持できていれば良い場所なので、このまま共締めします。

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これで負圧が逃げることがなくなり、エンジンの始動性が格段に改善しました。

後は通常の車検整備を進めていきましょう!

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まずはプラグの確認。まだまだ使えそうなので清掃して使用します。

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ディストリビューター、略してデスビ内部の清掃と点検です。

ローターとキャップはまだまだ使用できそうなので清掃して、ポイントの減りが気になったので交換します。

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赤丸部分の減り方わかりますか?安い部品ですので早めに交換しておきます。

しかしポイント式点火とか本当になくなりましたね~。ハーレー含めて年に2~3回扱うぐらいの頻度になりました。

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分解時に清掃とグリスアップを行い取り付け後はギャップ調整です。

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シックネスゲージでギャップを調整します。隙間は名刺一枚が合言葉0.4mmで調整!

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赤丸部分の小さい穴からタイミングライトで照らし点火時期を調整します。しっかりと暖気してね!

こう考えると最近の車は本当にメンテナンスフリーになっていますねぇ。きっちり既定値に合わせ完了です。

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その他エンジンオイル交換と…ドレンパッキンも交換。エアーエレメントも吹き返しで汚れていたので交換しました。

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高回転時のシフトの入りがすごく悪く、エンジンマウントを確認すると破損が確認できたためエンジンマウントを4箇所交換しました。

シフトの入りもスムーズになりました!

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長々となりましたがようやく整備及び車検完了!

きっちりキャブ調整と点火調整していますのでエンジンは調子がよく、排気ガスも新規格基準をクリアできるほどクリーンでした。

これでまだまだ長く乗れます!少しづつ中古パーツをストックしつつ次の車検トラブルに備えていきましょう!

今回もご依頼ありがとうございました!