34GTRインジェクター清掃でエンジン不動から復活!と車検♪

34GTR車検修理

絵や壺などの美術品を筆頭に、日本刀やおもちゃ、アンティークなど時代により物の価値は大きく変わり、古い物にもびっくりとするような金額が付く場合があります。こんにちはテクニカルステージでございます!

実は車やバイクにも上記のようなびっくりするような金額が付く車両がたくさんあります。

日本であればトヨタ2000GTやハコスカGT-Rなどが有名ですね♪そして金額高騰の波は遂に平成初期のスポーツカー達にも押し寄せています。

日産R32/R33スカイライン・R32/R33GTR・シルビアS13/S14・マツダRX-7 FC/FD・ホンダシビックEG6/EK9・インテグラDC2・三菱ランサ-エボリューション1/2/3・などなど上げれば切りがありません。

高騰の理由ですが、アメリカの[25年ルール]やカナダの[15年ルール]が大きいと言われています。

アメリカやカナダは初年度から上記の期間が経過すると、車両の輸入制限が大きく緩和されます。ハンドルの位置や排ガス・衝突安全性などの基準が免除され公道を走ることが許可されます。

元々日本車はワイルド・スピードなどの影響もあり各国で大変人気がありましたが、日本メーカーが日本国内向けに製造した車両は、アメリカやカナダのいち企業や個人が輸入するには敷居が高い状態が続いていました。

しかし上記ルールにより輸入の難易度が大きく下がり、国内、国外業者問わず車両の取り合いになっているためです。

15年ほど前は状態にもよりますがR32スカイラインタイプMなどは20~60万円ほどで購入でき、32GTRでも150万円~200万円ぐらいが相場でした。現在はタイプMですら100万に近い金額が当たり前で、32GTRに至っては1000万を超える車両も珍しくありません。

これからも金額はドンドンと上がっていくでしょうし、上記ルールが適用されるモデルも増えていきます。このような車種を手に入れたい方は早めの対策と対応を、そしてこれらの車種を所有している方はぜひ大切にしてあげてください。

さて、前置きが長くなりましたが今回は25年ルールがあと数年で適用される日産 R34スカイラインGT-Rのエンジン不動の修理と車検のご依頼です。車両はこちら

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(^_^;)真っ白やね…

直6最終のGT-Rとして有名ですね。いまだに大変高い人気があり、前述のスポーツカー高騰も重なり車両金額もドンドンと上がっています。

新車で購入後ほとんどのカスタムをテクステで行っており、エンジンフルチューンですが馬力を追い求めるのではなくトルクを重視し乗りやすいカスタムを目指して作成した車両です。

しかし最近は乗る暇がなく、車検時にエンジンを掛けようとしたのですがセルは回るが不動…入庫前に車両の確認に伺い状況を確認した所、燃料系のトラブルが濃厚で自走不可なので積載車で引き取りに来ることになりました。

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乗せる前にタイヤにエアーを補充して積載車に積み込みます。

車庫前に積載車を停車出来ないので、人力とセルの力を借りてなんとか車庫から引きずり出し積載車に載せます。

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入庫後とりあえずエンジンの不動修理に取り掛かります。現地での確認では燃料が噴射されておらず、フューエルデリバリーパイプまでは燃料が送られてくるため、インジェクターの詰まりではないかと予想し、ばらしていきます。

車両自体も前車検からほぼ走行しておらず、インジェクターが詰まるには十分な期間です。

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RB26のインジェクター取り外しは比較的簡単ですね。燃圧を抜いてフューエルデリバリーパイプを取り外せば本体を取り外せます。各シールやリング類は前もって用意しておきましょう。

 

インジェクターカプラーに抜け防止のピンがありますが、取り外し時に飛んでいく可能性があるので注意!

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噴射口を確認しましたが特に詰まっているわけではなく、長い間の放置による内部バルブの固着のようです。

こんな場合はインジェクターに直接電気を流し、無理やり作動させる事により固着を解消させ内部を洗浄します。

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まずはキャブクリーナーに一晩寝かせ、自作のインジェクタースイッチで作動させながら清掃します。

よく電池で作動させている方はいらっしゃいますが、5V駆動であればUSB充電器で作ったほうが電池用意する手間が省けるので良いかと…

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最初はスイッチを作動させてもバルブが動かなかったのですが、根気良く続けると少しづづ作動するようになりました。

最終的には完全に元に戻り噴射量もばらつきはなく洗浄完了です。結局6本の内5本が動かない状況でした。

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劣化気味の各シリコーンホース交換やプラグ清掃などを行いつつ、ドキドキしながらエンジン始動です。

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一発で始動しました!しかし長い間エンジンが動いていなかったので煙がすごいです(;´Д`)少し落ち着くまでアイドリングします。

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しっかりと暖気したら各油脂類の交換とバッテリーを交換します。

使用オイルはスピードマスターを使用!エンジンオイルは15W-50 レコードを使用し、ギアオイルには80W-90及び85W-140 スーパーギアです。

バッテリーは専用品を使用。トランク内ですので専用品が無難ですが、パナソニックのカオスなんかでもバッテリーと充電時のメカニズム理解している方は問題ないでしょう。

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下廻りもサビ防止にペイントします。その他点検整備を行い、無事車検合格です。

残り燃料も少なく品質も悪くなっているので低負荷の走行を行い古いガソリンを使い切り、新しいガソリンを給油してフューエルシステム内の洗浄添加剤を使用します。

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こちらもスピードマスター製の添加剤フューエルシステムクリーナーです。長い間ガソリンを使用しないとガソリンも腐ってしまい(厳密には腐るというより品質が変化するわけですが…)本来の性能が発揮できません。

そのまま高負荷の運転を行った場合はエンジンブローの危険性もあります。ガソリンの不純物などは定期的にこの様な添加剤で清掃してあげましょう。

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洗車を行い整備完了です!絶好調のときのGT-Rが戻ってきました!お客様も久々に(笑)動いている愛車を見て喜んでいただけました。貴重な車の1台ですので大切にしてあげてください。ご依頼ありがとうございました!

今回は貴重なR34GT-Rの記事でした。日本のスポーツカーはこれからもドンドンと希少になっていくのは確実でしょう。

その車たちがいつまでも気持ちよく走れるように日々努力していきたいと思います。

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