車の異常を速やかに教えてくれるエンジンチェックランプ、有効に活用することで故障箇所を早く断定することができます。こんにちはテクニカルステージです!

現在日本で走っているほとんどの車両がコンピュータ制御されて動いており、コンピューターが車両の異常を感知したときに警告灯を点灯させます。

その際に車両にはどんな異常を感知したかが記録されており、スキャンツールという専用のコンピューターで調べることが可能です。(スキャンツールを使用しなくても調べることができる車種もあります)

今回はもともとアイドリングが少々不安定だった車両の修理ご依頼です。車両はこちら

ゴルフPCVバルブ交換

ゴルフⅤです。

止まる程ではないですがアイドリングが不安定で、様子を見ていたら最近ではチェックランプがそれなりの頻度で点灯するようになったとのことでした。

また、不安定になってからオイル消費も多くなったそうです。

とりあえずスキャンツールでエラーコードを確認すると…

ゴルフPCVバルブ交換

3件ほど記録されています。

一番上のP1698はステアリング系の電気系統ですので今回は関係なさそうですが、下2件は今回のアイドリング不調に関係があると考えられます。

まず、P2187フューエルシステムリーンですが、これは空燃比が薄いというコードです。

そしてP0507はアイドリングコントロールが既定値よりも高くなってるというコードですね。

前にも一度お話したと思いますが、最近のインジェクション車は燃料をエンジンで燃やした後に、排気ガス内の成分を調べながら適切な燃料供給量を計算しています。

今回の場合はリーン、つまり燃料が薄いときの排気ガスが排出されているので、そのまま燃料供給が足りないかもしくは空気多すぎて燃料が薄まっている可能性が考えられます。

その際にアイドリングが不安定になっているので、P0507のコードも同時に検出されたと考えて良いでしょう。

2次エアー吸い込みやエアフロの認識ズレ及び破損などがよくある故障で、ここらへんを重点的に確認していくと早めに原因を発見できる場合があります。

今回のゴルフでは吸気関係のパイプ類には2次エアーを吸っている様子はありません。

ゴルフPCVバルブ交換

そんな場合はオイルレベルゲージを抜いて車両の変化を見てみます。

レベルゲージの穴からかなりの量のエアーが吸い込まれていることが確認できました。

通常アイドリング時のエンジン内は後述するブローバイガスを吸わせているので、軽い負圧なことが多く音が聞こえるほど空気を吸い込むことはありません。

この状況から考えられる一番怪しい故障箇所…それがここです。

ゴルフPCVバルブ交換

エンジン前方にあるこの部品はPCVバルブといって、エンジン内部から発生するブローバイガスという環境汚染ガスを、再度エンジンに吸気させ燃焼させるための部品です。

この部品は本来インマニ内の圧力が負圧になった場合に開きブローバイガスを吸い出させる構造になっています。

ゴルフ等に使用されているPVCバルブはダイアフラムで通路の開閉を行っているのですが、このダイヤフラムが破れそこから大量にエンジン内の空気を吸い込んでいると思われます。

ゴルフPCVバルブ交換

このように吸気側の配管を外して確認してみると、レベルゲージの吸い込みもなくなることがわかります。

本来吸われるはずのないダイヤフラムからエンジン内の空気が大量に吸われて、空燃比が薄い方に傾き(空気が多くなったわけですね)エラーコードを検出したのでしょう。

ブローバイガスにはエンジン内で拡散された霧状のエンジンオイル分も含まれるため、オイル消費量が増えたことも納得できます。

ゴルフPCVバルブ交換 ゴルフPCVバルブ交換

交換はそこまで大変ではありません。ネジ4本ぐらいですのでサクッと交換して修理完了!

スキャンツールでエラーコードをリセットして、再度異常が無いことを確認してすべての作業は完了です。

アイドリングもバッチリ決まり調子良くなりました。ご依頼ありがとうございました!

ちなみに非分解ですが蓋を破壊して確認してみると~

ゴルフPCVバルブ交換

やっぱりダイヤフラムがパックリと(^_^;)ここからガンガンエアー吸っていたんでしょうね。

通常2次エアーは吸気系の配管破損がほとんどの原因ですが、こんなパターンもあるって頭の片隅にあると原因不明のドツボにハマる可能性も低くなるかもしれません。