マーチ ヒーターの風が冷たい…温風が出ない原因はエアコン内部に!
季節もすっかりと変わり肌寒い日も多くなってきましたね♪風邪など引いていませんか?テクニカルステージでやんす!
天気が良い日なんかは霜が降りるような場合もあり、朝の車内もひんやりとしています。
この時期ぐらいから車内で活躍する機能といえば?…そう、エアコンのヒーター機能ですね♪夏はクーラー、冬はヒーターと車のエアコンは年中大忙しで稼働しています。
クーラー機能に比べると比較的トラブルの少ないのがヒーター機能ですが、やはりクーラー同様に思いもかけない故障に見舞われる場合があります。
今回はエアコンのヒーター機能不調修理のご依頼です。車両はこちら
日産マーチK12型です。このモデルで一気に丸っこくなり女性にも人気になりました。
温風が出ないとのことで車両の確認に入ります。オートエアコン車なのですが温度調整時にモーターの駆動音はしているのでモーターは除外、しかし冷風にしても温風にしても吹出口の温度が変わりません。
エアコンシステムはクーラーの場合はエアコンガスの冷気を、ヒーターの場合は冷却水の水温を利用して適した温度の風を送風しています。
つまりクーラー用の送風通路とヒーター用の送風通路があり、仕切り(エアミックスドア)で切り替えています。
今回のように送風口の温度が変わらない場合は、切り替えが上手くいっていない可能性が高いです。ということでそこらを重点的に確認します。
グローブボックスを外しエアミックスドアの付近を確認すると破損箇所を発見。エアミックスドアのシャフト本体が折れています。
この症状は同年代のマーチやキューブにとても多い事例で、このエアミックスドアを交換するのになんとダッシュボードを取り外し、エアコンシステムをすべて取り外さなければなりません。
エアミックスドアは2千円前後の金額ですが取替工賃が5万円以上と高額で、その他の不具合もあれば10万円以上必要になってしまう場合もある、頭の痛い故障です。
しかし、これからの時期にヒーターが効かない車はまさに地獄…いや南極(^_^;)、走行距離がかさんでいたりエンジンの調子が悪かったりする場合は買い替えも検討に入ります。
当車両は車自体はまだまだ元気ですし走行距離もかさんでいませんので、しっかりと修理を行い永く乗ることに決定しました。
まずはエアコンガスの回収とクーラントを抜いていっぱい分解していきますよ~
まずはオーディオ周辺から
ダッシュパネルは分割式ですので上側を外し
ダッシュパネル下側も外します。この時点で外したネジ類がてんこ盛りなのでちゃんと分類しておかないと後で泣きを見ます。
ダッシュパネルが外し終わればハンドル回りをフレームから外します。その他邪魔な配管やクリップなどを取り外し、エンジンルームからエアコンガスの配管と冷却水のホースを取り外せば…
とったどー(,,゚Д゚)記事にすれば文字数約200文字の出来事ですが、これだけで結構時間がかかっています…
こっからも分解作業が続くのじゃ
エアミックスドアはヒータユニットのカバーに挟まれるように固定されているので、全てバラバラにしないとたどり着きません。
ヒーターコアを外してみると…
クーラントのにじみがある…こんな状態のときは汚れを取ると漏れがひどくなる可能性が高いのが嫌なんですよ。
とりあえず後に対応します。
エアコンフィルターはみっちり汚れてるので交換。ヒーターコアやエバポレーターもごみが多少あるので掃除しましょう。
ちなみにエアコンが詰まるとはこのフィンが詰まることです。だから大きな金額がかかる前にフィルターの装着と交換を行いましょうね♪
最終的にユニットは真っ二つに分解。たったこれだけのために…
ここまで来たらユニット内部も綺麗にしましょう。ファンやモーターはホコリがたまっていますしエバポレーター付近にはカビが生えてたりします。
先程のにじみの箇所を清掃しました。ヒーターコアのこの場所は冷却水の流量を調整する部分です。
このように取り外しできるのでこの部分だけ部品が発注できればよいのですが、ヒーターコアASSY(本体全部)でないと部品が出ません。お値段2万円以上也…そんな予算ありません(´・ω・`)
分解してシールで漏れ防止を行い取り付けしました。ポタポタと漏れている場合は難しいかもしれませんが、にじみの状況を見る限り水温上昇につれて圧力が上がったときににじんでいるようですのでかなり効果があると思います。
各部品をもとに戻しクーラントとエアコンガスを規定量入れて完了です。水温が上がれば暖かい風も出るようになり、クーラー使用時も冷たい風に切り替わるようになりました。
先程のにじみもエンジンアイドリングでは確認できなかったので当分は問題ないと思います。
お客様もこの冬は寒い思いをしなくて良くなりました。ご依頼ありがとうございました!
いや~久々にダッシュパネル全バラシしました(笑)構造上しかたがないとは言えますが、できるのであれば壊れてほしくない部分ですね。
一応対策品にはなっていますがせめてシャフトは強度のあるもので作っていただきたいです。
このようなウイークポイントは車種により様々ありますので、トラブルが起きたときはその都度効果的な対応を行うことが重要ですね!
愛車のお悩みバッチリ解決します!093-980-2210受付時間 10:00-18:00 [ 水・イベント開催日除く ]
お問い合わせ