キックが故障?原因は?エンジン始動困難なハーレーショベル修理!

ショベルクラッチ修理

バイクに乗る時のエンジンの始動方法、実は車種や時代により種類があります。こんにちはテクニカルステージです!

一番おなじみなのは鍵を回してセルスイッチで始動する方法ではないでしょうか?

そして時代は変わり現在はスマートキーでスイッチを押すだけでエンジン始動ができるようになりました。

それでは逆に昔はどうだったと思いますか?昔はセルモーターが存在せず鍵を回し電源をONにした後に、人力でエンジンを回しエンジンを始動していたのです。

現在も一部50CCのスクーター等は搭載されているキックスターターが、昔は大排気量のバイクでもエンジンを始動する主な方法だったのです。

このキックスタート方式は小排気量ならそこまでの労力は必要ないですが、排気量が大きくなるほどスターターペダルが固く、重くなっていき、タイミングを間違えると大柄な男の人でも飛ばされるほどの力で跳ね返ってきます。

この現象はケッチンとよばれスネや膝などを強打すれば骨折もありえます((((;゚Д゚))))

キックスタート式のバイクはエンジンを始動するだけでも儀式的な意味合いがあり、不便なのに楽しい不思議な乗り物になっていると思います。

しかしこれはそれなりにすんなりとエンジンが始動する車両に限ります。セッティングが出ていなかったり、不調な車両などの場合は途端に苦行となります。

エンジンを始動するだけで時間がかかり、エンジンが始動しても疲れからどこにも行く気が失せてしまいます。

今回はそんなキックスタートの車両の修理ご依頼です。車両はこちら

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ハーレー ショベルFXS80ローライダーです。81年式ですのであと数年で40年経過する車両ですね。

ショベルエンジンはこれからもドンドンと減っていくので大切に整備を進めていきましょう。

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エンジン始動時にキックスタートがとても困難で、ペダルは下りるんですがクランクは回ってないような症状です。

文章で説明するのは難しいのですが、ゴムを挟んで踏んでいるような、中途半端に圧縮が抜けるような独特な感触で、10~20回ほどキックを繰り返し、たまにある正常な感触時にエンジンが始動するような状態です。

まずはキックスターターやミッションの異常等を予想し点検をしつつ原因を探っていきます。

スパークプラグを外し圧縮がかからない状態だとクランクは完全に回るため、圧縮がピークになった時に発生しているようです。

当車両はオープンプライマリーにカスタム済みですが、よく確認しているとキックを踏んでいる時に一瞬動作が遅れることを発見!

これはクラッチ滑ってんな…とバラしてみることにしました。

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分解して確認していくとかなりのクラッチディスクの粉が大量に出ています。しかしディスクやプレートの見た目には異常な摩耗や反りはなくペーパーなどで研磨すればそのまま使用できそうではあります。

粉がクラッチディスクとプレートの圧着を低下させていたのが原因のようです。フル加速時にも滑っていたかもしれませんね~。

お客様と修理方針について話し合い、各部品がそこまで高額でない事と目視では確認できない反りがある可能性を考えディスクとプレートの交換となりました。

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まずは清掃から。クラッチシェルの粉を掃除機で吸い取りウエスで汚れを拭き取っていきます。

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キレイになりました。たまにエアーブローでもしてあげれば粉の蓄積は緩和できますね。

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新旧プレート比較です。多少プレートの当たり方が気になりますが、まぁこんなもんかと…

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新品の部品を組み込んでいきます。クラッチアジャストボルトもかなりおつかれちゃんなのでナットと同時に交換、ベアリング付きにしましょう。結構悪くなるパーツです。

すべて組み上げたらクラッチを調整して完了です!キック始動時も滑らなくなり、エンジン始動がスムーズに出来るようになりました。

きっちりと調整も行っていますので、クラッチも操作しやすくなりお客様も大満足です。ご依頼ありがとうございました!

エンジン始動にも苦労することがある…そんな時代に誕生したバイクの修理ご依頼でした。

最近は便利な時代となりましたが昔の物を大切にして不便さも楽しむ、そんなやり方もカッコイイと思いませんか?

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